[海外の読者のために]
日本では土用の丑の日(日本の古い暦)に、暑い時期を乗り切る栄養をつけるためにウナギを食べる習慣がある。習慣化したのは江戸時代。
ウナギは次第に消費量が増え養殖が始まる。それでも足りず中国や台湾から安い養殖ウナギを輸入するようになる。しかし何年か前、中国産食品は信用をなくした。原因はずさんな生産方法と危険性。ウナギもその1つだ。
日本人は中国産を食べなくなり、数の減った日本産ウナギは高騰する。それに輪をかけて日本産と偽った海外のウナギが出回ったため、店先からはウナギがさらに減少した。以後ウナギの高騰ぶりは止まらない。もしかしたらフォアグラやキャビアと同じくらいの値段かもしれない。
[ウナギの安かった時代]
30年前、スーパーでウナギが5串(5人前)¥980だったことがある。私も相当無鉄砲だった。夕食の代わりに1人で全部食べてしまった。もちろん中国産だと思うが十分満足した。それ以来特にウナギが食べたいとは思わなくなった。
近年ウナギを食べたいと感じるようになったのは、食欲というよりは子供の頃感じた日本の季節感を懐かしむ気持ちからだ。
[モドキ]
しかし、しかし。スーパーにいってウナギの価格を見た瞬間。私の悪い癖、貧乏性が出てしまう。
いくら日本産ウナギだからといって、1パック¥2500円も払うなら、面倒でも専門料理店に行ってうな丼を注文したほうがよっぽどいい。奮発してうな重にしたっていい。
モドキをつくろう!
ウナギの代わりを探す。
昨年は「サンマの立田揚げ」だったが今回は「タルタルステーキ」(10%引きで¥245)に、「うなぎのたれ」(¥158)は変わらず。見かけは無視する。
フライパンにオリーブオイルを引き、「タルタルステーキ」に火を通したあと、オーブンで「うなぎのたれ」を塗りながら焼いてみた。
[結果=失敗]
2人前¥405のうな丼モドキ。しかしオージー・ビーフを使った「タルタルステーキ」の味と香りは強烈だった。「うなぎのたれ」は健闘むなしく敗北。
もし来年も挑戦することがあったら、今度は油揚げにしてみたい。
[海外の読者のために]
油揚げはキツネの好物だといわれている。
古来から日本では、キツネは人を化かすといわれている。
キツネソバには油揚げが入っている。
*現代の一般的なうな丼 すき家より